Salesforce Agentforceを使って、ナレッジ回答AIエージェントを構築してみました(設定~動作確認)

Salesforce社が最も力を入れている自律型AI Agentforceを活用すべく、設定手順等をご紹介させていただきます。

※Agentforceは、2025/11時点の情報となります。

Agentforce
とは
Agentforceとは、Salesforce社が20249月に発表した自律型エージェントです。
指示を待つだけではなく、目標や役割を与えると自ら動いてタスクを完了するよう設計されています。

例えば、

未処理の請求を検索

契約プラン・金額を確認

請求書PDFを作成

顧客へメール送信

という流れを自律的、かつ数秒で完結してくれたりします。
人間だと30分近くかかってしまうので、とても便利ですね。

今後、外部アプリとの連携・音声・モバイル対応などが進み、さらなる拡大が期待されています。

Agentforceをさわってみよう

では、実際にAgentforceをさわってみようと思います。

 みなさん、こんな経験はありませんか?

    • ノウハウをナレッジに蓄積しているが、使いこなせていない。
    • キーワード検索しても一致でしかヒットせず、探しづらい

今回は、
ナレッジを簡単に自然言語で検索でき、使いやすくなるよう、
ナレッジ記事の内容を回答してくれるAIエージェント(※)
を作ってみようと思います!
Agentforceは正確にはプラットフォームの名称であり、Agentforceで作ったAIのことをAIエージェントと呼ぶこととします。

まずは、事前準備から始めていきます。

事前設定①Data Cloudの有効化

まず、Salesforceのナレッジ記事データを使うには、Data Cloudを有効化する必要があります。
クイック検索→「Data Cloud設定ホーム」の画面にて、有効化をすることで、
ホーム組織ID、ホーム組織インスタンスなどが作成され、Data Cloudが稼働します。


事前設定②Einsteinの有効化
Salesforce全体で生成AI機能を使用するため、
クイック検索→「Einstein 設定」の画面にて、有効化を実行します。


事前設定③Agentforceの有効化
最後に、Agentforceを使えるようにするため、
クイック検索→「Agentforce エージェント」の画面にて、有効化を実行します。

上記手順で、Agentforceを使うための事前設定が完了しました。
ここから、ナレッジを使って回答を返せるAIエージェントを作っていこうと思います。

Agentforce データライブラリの作成
ナレッジを使って回答を返せるようにするには、AIエージェントがナレッジデータを使えるよう設定する必要があります。
Agentforce データライブラリとは、AIエージェントが利用するデータを一元管理できる機能です。
構造化データ(Salesforceオブジェクト)、非構造化データ(PDF・ナレッジ記事)をコンテキストとして、AIエージェントに提供できます。
また、Einstein Trust Layerによるデータ保護機能によって、個人情報のマスキングや有害データの除去・LLM側にデータ保存させないなど安全に活用できるメリットもあります。

Agentforce データライブラリ→新規ライブラリを押下し、以下のようなライブラリを作成しました。
データ型=ナレッジにしていることで、ナレッジデータを使えるような設定にしています。
識別項目=概要、タイトルとし、内容項目はAIエージェントが応答強化のために使用する項目を選べます。
保存後、「Agentforce (Default) ライブラリ」というデータライブラリを作成することができました。


Agentforceの設定

どのAIエージェントを使うか
では、AIエージェントを設定していきましょう。

まず、SalesforceAIエージェントは、「誰のために動くエージェントか」を設定する必要があります。
今回は、Salesforce内のデータを参照することができる従業員向けエージェントを使用することにします。

Agent エージェント」画面に遷移後、デフォルトで存在している「Agentforce (Default)」を使用します。
Agentforce (Default)は、まもなく廃止され、Agentforce 従業員エージェントに移行される予定)


AI
エージェントにデータライブラリを割り当てる
使用するAIエージェントが決まったら、いよいよAgent ビルダーを使って、AIエージェントにどんなことをさせるか設定していきます。
まずは、「Agent エージェント」画面の右下「ビルダーを開く」を押下します。

押下後、以下のようなAgentforce ビルダーが表示されます。
どういう言語にするか、どういうことをやってほしいかを設定できます。
まずは、先ほど作成したデータライブラリ(ナレッジデータ)を割り当てます。
右側「データ」タブへいき、「Agentforce (Default) ライブラリ」を割り当て、保存します。
これで、AIエージェントがナレッジデータを参照することができるようになりました。


トピック、アクションの設定
続いて、AIエージェントにどういった動きをさせるか設定していきます。
トピックとは、AIエージェントが、「どの業務カテゴリの依頼か」を判断するための仕組みです。
そして、
アクションとは、AIエージェントが実行できる「具体的な処理」のことを指します。
アクションは、トピックの中に設定していきます。

ビルダー右側「トピック」タブへいき、「General FAQ」を追加します。

General FAQ」は、標準トピックであり、すでに用意されているトピックです。
標準トピックは、30個近くあり、自分で1から作成しなくてもよいので、便利です。
当トピックは、「汎用的な質問に答えるための標準トピック」として位置づけられています。

トピックの具体的な内容や範囲、指示は、以下画面のようになっています。
編集することも可能ですが、「ナレッジを使った回答を提示するという処理」にそれなりに適した内容なので、修正せずそのまま使います。
ちなみに、日本語対応済みなので、日本語で修正することができます。


続いて、アクションを追加します。
「このトピックのアクション」タブにいき、「Answer Questions with Knowledge」アクションを追加します。
こちらも標準アクションになります

このアクションは、
Salesforce ナレッジの記事を使って AI がユーザの質問に回答するための標準アクションです。
まさにやりたい目的に合致していますね。
標準アクションも90個近く用意されていて、とても便利だなと感じました。

言語の設定
デフォルトは英語となっていますが、日本語で会話できるよう設定します。
ビルダー「言語」タブにいき、「言語のデフォルト値」をJapaneseに変更します。
ちなみに、語調も変えることができます。
カジュアル・どちらでもない・フォーマルと使用するユーザに合わせてカスタマイズできます。

これで、主な設定は以上となります。

AIエージェントを動かしてみよう
では実際に、AIエージェントを動かしてみましょう。
ビルダーの左上「有効化」を押下します。

以下のような警告がでますが、AIエージェント自体は問題なく使えるので、「無視&有効化」を押下します。

Salesforceのホーム画面などいつもの画面に遷移します。
右上にエージェントのマークが表示されていて、ここからいつでもAIエージェントを立ち上げることができます。
従業員向けエージェントの場合、Salesforceのいろんな画面でエージェントマークが表示されています。

エージェントマークを押下すると、右下にAIエージェントが表示されます。
ここを使って、早速、質問してみましょう。

ナレッジデータは、事前に登録してあるレコードを使用します。
では、早速、AIエージェントに質問をしてみます。
すると、回答が返ってきました。

ナレッジの回答(緑枠)をきちんと回答できていることがわかります。
無事に、ナレッジ回答ができるAIエージェントを構築することができました!


トラブルシューティング

ナレッジの質問を投げてみたが、回答してくれなかった
ナレッジ質問をしたが、以下のように正しく回答を返してくれない事象が起きました。

調べてみると、
Agentforce データライブラリ」が、状況=未開始であったことが原因でした。

解決策として、ビルダーの右上「設定」→構築の開始を進めることで、
データライブラリの状況=準備完了となり、事象が解消しました!


アクセス権エラーが発生
会話プレビューで、質問を投げたところ、「関連するデータにアクセスできない可能性があります」とアクセス権のエラーが発生しました。

権限不足が原因なので、
操作ユーザの権限セット「Knowledge LSF Permission Set」の「データカテゴリの表示」をすべてのカテゴリに変更することで、事象が解消しました。


さわってみての感想
Salesforce Agentforce、思っていたより設定がシンプルで、すぐに会話の回答が確認できるところに良さを感じました。
また、ノーコード/ローコードなので、専門知識がなくても誰もが AI エージェントを作成できる点は非常に大きなメリットだと実感しました。
今後は、顧客からの定型業務を代わりに処理したりと、より実務に根ざしたエージェント構築にも取り組んでいきたいと考えています。

最後に
弊社ではすでに Agentforce の案件にいくつか取り組んでおり、少しずつノウハウも蓄積されてきています。
次回は、「PDFRAG)をAgentforceに読み込ませて、回答させるAIエージェントの構築」に取り組んでいきたいと思います。